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リビングは必要か?

住宅の設計をしていて最近よく思うこと・・・

それは

リビングは本当に必要か?

ということ



一般にリビングは団らんの場であり住宅の中心に位置づけられる

でも、それはちょっと前の話

会話がなくても家族が同じ番組を見ていたり

テレビがリビングのメインアイテムだったり

たとえ子供室にテレビがあって

子どもが自室にこもるようになってしまっても

それはそれで

家族がバラバラであるということの確認にもつながった



今はテレビがメインアイテムとは言えない

リビングにテレビがあっても各自がスマホをいじっている

テレビが家族をつなげる中心的役割はもう果たしていない

そもそももうテレビをほとんど見ないという家もある

同じリビングに居ても

バラバラであることすら自覚(実感)できない状況にある



もうリビングを重視する必要はないのではないか?

家族をつなげる場はもうリビングにはないのではないか?



むしろダイニングを重視すべきじゃないかと思う

食事が家族をつなげる

これは昔も今も変わらない

そしてこれからも変わらない

家族をつなげるのはリビングではなくダイニングにある

家族をつなげるのはテレビではなく食にある

普遍的な「食」こそが住宅の核となる場であり

そのダイニングを充実させてあげることが大事なんじゃないかと思う



そんなことを考えていたら

昔の囲炉裏文化はかなりよい空間だったんだなと思えてきた

笹離宮

ひさしぶりに日帰りでちょっと遠出

長野県の諏訪方面へ

目的地は笹離宮

ここにある笹葺の竪穴住居を自分の目で見たくて行ってきた



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感想は・・・

すごくいい

とてもすごくいい


何がよかったかといえば

まず、笹の葉のもっそりとした茅葺にはないふっくら感

なんとなく丸みを帯びたフォルムがかわいらしい

入口にある土器もかわいらしい演出でやさしい雰囲気が漂う

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そして一番よかったのが室内

今まで見てきた竪穴住居の中でもだんとつの居心地のよさ

ほど良い広さとほどよい高さ

竪穴住居には珍しく靴を脱いで入るのだが

それだけですごく気持ちよさがUP

靴を脱ぐから清潔感もある

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復元を目的とした建物ではないから基礎がRCであり

そのことも清潔な感じにつながっている 

床に敷かれた筵の質感もほどよく

足の裏を伝わる感触も心地よい

囲炉裏の前に胡坐をかいて座ると何時間でもそこに居れるような気もする



自分の仕事でも

手に触れるところはできるだけ質感を大事にしたいと思っているが

あー間違ってないなと思わせてくれる

床の重要性を再認識させてもらえた



笹離宮は全体もきれいで静かで落ち着いた雰囲気があり

とても心地よい場所だった

お気に入りの場所がまた一つ増えた

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Open door

先月静岡の流通センター内に新たな飲食店『Open door』がオープンしました

是非足をお運びください

おいしい料理と楽しいスタッフがお待ちしています

https://www.facebook.com/morisopendoor/

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ARTORO 『土を耕す』

2018年度 ARTORO 第2回

『土を耕す。~ところで、土ってなんだ?』

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5月20日(日)、天気にも恵まれ無事開催。

今回のメインは「田起こし」。

来月の田植えに向けて、土を耕します。




まずは土をじっくり観察。

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稲を育てる土のこと、

こんなに近くの足元にある土のこと、

なーんにも知らないのね、俺。

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この土で出来たという土器。

小さな小さな器なのに、

大地とのつながりがものすごーく心に響く。




今回使う道具(鍬)についてもお勉強。

古代も現代も形がほとんど変わってないのね。

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ちょっとしたデザインの差にみられる地方色。

なぜその形なのか、

なぜその長さなのか、

道具の形ってやっぱり深く考えられている。




いざ田起こし開始!

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今回は博物館から借りてきた

文化財レベルの道具も使わせていただく。

贅沢な体験。


 

鉄の鍬で耕してみる。

ザックザックと掘り進める。

ちょっとぐらい固いところもザックザック。

無心で作業。

ザックザック。




木の鍬でも耕してみる。

ザッザッ。

木なので思った以上に浅い部分しか耕せない。

耕すと言ってよいのか疑問に思うほどの深さ。

でも、昔の土はもっとやわらかかんたんじゃないか?

ザッザッと掘るとたまに石にあたる。

手を止め石をどかす。

このひと手間も心の余裕につながっている?

土と向き合いながらザッザッと耕す。

おしゃべりしながらザッザッと耕す。



やってみないとわからなかった。

やってみた人じゃないと絶対わからないと思う。

木と鉄でこんなに違うのかと驚いた。

鉄の作業効率の良さにではない。



鉄は強い。

だから土を支配してしまう。

やさしさもない。

土と向き合おうともしなくなる。

ただただ無心で耕してしまう。




木の鍬で耕すと自然と土と向き合える。

自然と会話が生まれてくる。

心が優しく穏やかになる。

身体の動きも全く違う。

鉄には鉄のよさがある。

でも・・・。

ナンダコレハ?




以前道具のレクチャーしてくれた雨宮さんの言葉が

今ならものすごーくよくわかる。

http://artoro.jp/2018_01_21_series4/


木と鉄の道具の差、

これを体感できたことは、

なにかものすごーく大事なことを学んだような気がする。


土の中から出てきたドジョウたち。

きっと鉄の鍬は恐怖だっただろうね。
 

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変わったのは道具だけじゃない。

きっと土も変わってしまった。

道具と土、切り離して考えたらいけないんだよね。

みんなみんなつながっている。




知るって大事。

体験するって大事。

心地よい労働ありがとう。

今回もすごーくよい講座となりました。

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次回はいよいよ田植えです。


静岡の飲食店

静岡にオープン予定の飲食店。
 
今日もせっせと塗装作業。

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ちょっと障害のある子たちも一緒に塗り塗り。

彼らにもできる仕事はあるし、

彼らなりの役割は必ずある。

それを見つけてあげるのも大事なことだと思う。

こういう子たちの接客するお店、

失敗はあるかもしれないけど、

きっとほんわかした温かいお店になるんだろうな。

とりあえずオープンの日も決まったみたいだし、

出される料理も決まってきてるみたいだし、

おいしいものが出されるのは間違いないし、

もしかすると本格的なルーマニア料理

あの懐かしいママリガも食べれるかもしれないし、

楽しみだなぁ。

ARTORO2018 募集!

私が活動を続けているアートロですが、
 
2018度の募集を開始しておりますのでご案内させていただきます。


 
アートロとは、簡単に言ってしまえば、

衣食住のつながりを楽しく学びながら考えてみようという活動。

詳しくはこちら→ http://artoro.jp/archives/


 
今年度は農業体験と講座を組み合わせた連続講座となっております。

また、秋には身近な素材を使った簡単な住まいづくりにも挑戦いたします。

興味がありましたら、是非ご参加ください。



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【2018年度連続講座 “ひとつ屋根に暮らす” 】


◇説明会&種もみ配布

日 時  2018年4月22日(日)
    
 13時~16時(受付開始 12時半より)

場 所  登呂博物館 1階ホール

内 容  今年度の予定について

     苗の育て方について

     種もみ配布

講 師  宮田祐二さん(静岡県の農業技術研究者)

主 催  登呂会議


 

米、タネだった!ってわかってた??

田植え体験は全国各地よくあるけれど、

苗を種もみから自分で育てるところからやります。


 

アートロでは今まで土で土器をつくり、

稲を育て、

米を食べて、

稲藁で道具を作って来たけれど、

2018年度はさらに、

人間が発明した最たる道具、住まいの屋根に

この稲藁を使おうという計画なのです。

今年度のスケジュールはこんな感じ。


 

【2018年度スケジュール】

4月22日 「米、タネだった!」
     
講師:宮田祐二さん(静岡県の農業技術研究者)

5月20日 「土を耕す。〜ところで、土ってなんだ?」

     講師:宮田祐二さん

6月10日 「土で、稲を育てる。」

9月9日 「鳥の巣から学ぶ
     
〜足元にある素材から居住空間をつくる〜」
     
講師:鈴木まもるさん(鳥の巣研究家、画家、絵本作家)

10月中旬 収穫(台風などの影響により変更あり)
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1月24・25日 「身体で測る、足元の素材で住まいを作る」

     講師:相楽育弥さん(かやぶき職人)

2月 「土で育った米を、土器で煮炊きして食べる。〜収穫祭〜」


 

登呂は弥生ですけど、

定住する前の縄文の住まいを作ってみます。

かやぶき職人の相良さんと2日かけて、

移動民のように家を作ります。

藁の結束の仕方も学べちゃいます。


 

いやいや、霊長類ヒト科の住まいの前に

鳥の巣からも学びます。

どう見ても人間が真似したとしか思えない鳥の巣。

でも、これ住まいじゃないって知ってました?


 

鳥の巣も、人の住まいも、

どちらにも言えることは、たぶん安心と安全。

自ら作って、その中で過ごしたら、

何をもって私たちは住まいとするのか?

そんなことがわかるかもしれません。


 

自分たちで言うのもなんですが、

かなりおもしろい連続講座になっていると思います。


 

【申込について】

・4/22の説明会のあと、参加申込していただいてもOK

 もちろん今すぐ申込していただいてもOK

・年間参加費は、21,000円(1家族)

 もちろん1人での参加もOK

 募集定員は20家族
 
定員に達し次第、締め切らせていただきます。

・お申込はメールにてお願いいたします。

 登呂会議 contact@artoro.jp

・メールには下記を記載してください。

 名前、住所、電話番号、メールアドレス
 
一緒に参加されるご家族がいればその方の名前、続柄

※年間通しての連続講座の申込となります


 

こちらのサイトから簡単に申込できます

http://artoro.jp/2018_orientation/



 

どうぞよろしくお願いします。


左官ワークショップ

最近の仕事は新築より改修が多い

しかも部分的なセルフリノベーションも多い

今回は左官もセルフ

自分たちでできることは自分たちの手で

というスタンスで進んでいる現場。

でも、やっぱり最初は職人さんに教えてほしい。

せっかくだから、教わりたい人一緒にどうぞ、

ということで行ったワークショップ。

(もちろん助っ人募集の意味もありますよ)



普段仕事中は邪魔になってしまうので

道具のこととかいろいろ聞くこと出来ないけど、

今日はワークショップなので・・・。



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まずは使っている道具から教えてもらう。

形や大きさだけでなく厚みや素材による道具の違い、

職人の世界はおもしろい。


 

配合の仕方、ノロ(下地)の作り方、仕上材の作り方、

まるで料理。

まるで理科の実験。


材料が用意できたらいよいよ実践。




一発目で平らに仕上げる職人の技。

何十年もやってきたからこその技。

誰でも簡単に仕上がりますという素材にはない

真似のできない美しさ。

職人の世界はかっこいい。
 

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自分でやってみると難しさがよーくわかる。

普段こういうものだからと図面描いてたけど、

なぜそうなのかってやってみてはじめてわかる。

こういう体験、とっても新鮮。

こんなことをさせてもらえる現場、ありがたい。




とりあえず今日は、鏝返しが出来るだけで

なんとなく職人に近づいた気分になってる自分がいる。

鏝返し楽しい。

でも本当に難しいのは鏝板の上から先なのであるよ。

※鏝返しとは、鏝板に乗せた塗材を鏝の裏に素早く乗せる

素人でも職人気分を味わえる左官の基本技術。

クルッ、ヒョイッがついつい癖になる技。


リノベに愛を

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放水訓練ではありません。

某ビルを高圧洗浄してるとこです。

僕もデッキブラシ片手にお手伝い。

半日ぐらいしか手伝えなかったけど、

それでも関われば愛着がわきます。

やっぱり仕事には愛が必要。

すこーしづつ改修進行中です。

ARTORO 「修繕しながら、暮らす」

今期最後のARTOROの告知させていただきます。

 

3月11日(日)13:00~16:00 登呂博物館にて、

「修繕しながら、暮らす」と題して、

かやぶき職人の相良育弥さんに登壇してもらいます。

(登壇と言ってもARTOROは常に座談会形式のフリースタイル。)




相良さんは神戸を拠点に

世界をまたにかけて活躍している若手の職人さん。

宮沢賢治に憧れて大地に生きる百姓を志し、

だけど減反で米がつくれず「三姓」止まりになるものの、

そんな時出会った茅葺の親方に

「茅葺屋根は百姓の業で出来ている!」

との言葉を受けて弟子入りして、

今では屋根はもちろん、インテリアも茅で手掛けてしまう、

とても魅力的な男も惚れるかっこいい職人さんなのです。

http://www.kusa-kanmuri.jp/


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先日、相良さんに会いに淡河町まで行って、

茅場(茅は田んぼの畔で育てていたりします)や茅葺の住宅、

葺替え中の現場などを見学させていただきました。


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相良さんが拠点としている神戸市淡河町には、

今でもたーくさんの茅葺き住宅があって、

町の景観もどこか品のあるすごーく魅力的な場所。

移住希望者が300人待ちというのもうなずけます。




そのとき彼はこんなこと言ってました。

「茅葺職人の仕事は、

組む、編む、縛る、縫う、纏める、結ぶ、緩める・・・、

糸編がつく仕事ばかりで、

過去から未来、住むと生きるを

ぐるっとつないでいるんです。」




「無理に高価な材料を使わなくたって、

身近な材料でやればいいんですよ。

稲藁だってススキだっていい。

手入れさえすればいつまでも長持ちする。

昔からそうやってきたんだから。

これだって戦後に麦を育てるようになったから、

一番身近にあった麦を使っているだけなんです。」

と言って見せてもらった屋根には麦の穂が!


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相良さんはこうも言ってました。

「ただ伝統を守る仕事をするのではなく、

これからの時代に合った、

必要とされるような茅葺の在り方を模索していきたい。」

茅葺という素晴らしい伝統と思想を

ただ残そうとするのではなく、

そこに人間が忘れかけた大事なものを強く感じているからこそ、

これから先の時代に目を向けた前向きな姿勢で、

新しい発想で仕事に取り組もうとする姿に、

私、とても共感しちゃいました。




3月11日は今の自分たちに必要な

おもしろい話がたくさん聞けると思います。

茅葺の構法の話だけでなく、

伝統の活かし方や、

循環する暮らし、

自然素材の魅力について等々・・・。




今回の講座がARTORO今期最後の講座。

時代は進みます。

進むからこそ、

これからの在るべき住まいについて、

是非是非一緒に考えてみたいのです。

かなり貴重な機会だと思いますよー。

この機会、逃すのはもったいないですよー。



今回だけ参加したいという方も大歓迎ですよ。

申込はこちらからお願いします↓

http://artoro.jp/artoro2017/


学生さんは半額でOKですよ。

お子さん同伴もOK。

(実際に小学生の男の子も参加してくれてます)

みんなで楽しみを分かち合いましょー。

お待ちしていまーす。

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佐藤浩司先生

明日の国立民族博物館 佐藤浩司先生の講座に向け、

先日、先生のご自宅に伺いました。
 
先生の話を聞いていると、

人、環境、条件によって

『住まい』がこれほど違うのかと驚かされます。

自分の思っている『住まい』とは

とてもとてもとても狭いものだと思わされます。

普段設計という仕事をしていて、

『住まい』についてたくさん考えているのに、

まだまだ知らないこと、気づかないことがたくさんあるんだなと・・・。

そこにはきっと新しい可能性があると思います。

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写真は佐藤先生のご自宅をお伺いした時、

思いがけず用意してくださった昼食のカレー。


大変おいしゅうございました!


佐藤先生の講演に参加したい方はARTOROのサイトから申込お願いします。


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