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縄文と弥生ふたたび

私、ただいま縄文と弥生が同時進行中です。



明日20日(火)から25日(日)まで、

富士宮の大鹿窪遺跡(縄文草創期の遺跡)近くの三澤寺さんで、

『縄文DNA展』という美術展が開催されます。

「縄文」というひとつのテーマを

いろんな方々がいろんな切口で表現してます。

本日搬入に行ってきましたが、

いろんな解釈があっておもしろいです。

静かな雰囲気のお寺に不思議な世界が広がってます。

富士の山ビエンナーレも今週末まで開催されてますので、

ついでにこちらのほうまで足運んでみてください。


https://www.gurutto-fujinomiya.com/event/255/




で、今週末24日(土)と25日(日)は、

登呂遺跡にて、いよいよ小屋づくりいたします。

自分たちで田植えして稲育ててきましたが、

その稲藁で藁葺の小屋つくります。

今年度のアートロの大イベントなのです。

神戸の茅葺職人の相良さん再び登場なのです。

うまくできるといいなぁ。

そんなわけで、縄文と弥生が同時進行しております。



写真は『縄文DNA展』に向けて製作途中の「縄文神殿」。

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ARTORO 『土を耕す』

2018年度 ARTORO 第2回

『土を耕す。~ところで、土ってなんだ?』

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5月20日(日)、天気にも恵まれ無事開催。

今回のメインは「田起こし」。

来月の田植えに向けて、土を耕します。




まずは土をじっくり観察。

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稲を育てる土のこと、

こんなに近くの足元にある土のこと、

なーんにも知らないのね、俺。

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この土で出来たという土器。

小さな小さな器なのに、

大地とのつながりがものすごーく心に響く。




今回使う道具(鍬)についてもお勉強。

古代も現代も形がほとんど変わってないのね。

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ちょっとしたデザインの差にみられる地方色。

なぜその形なのか、

なぜその長さなのか、

道具の形ってやっぱり深く考えられている。




いざ田起こし開始!

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今回は博物館から借りてきた

文化財レベルの道具も使わせていただく。

贅沢な体験。


 

鉄の鍬で耕してみる。

ザックザックと掘り進める。

ちょっとぐらい固いところもザックザック。

無心で作業。

ザックザック。




木の鍬でも耕してみる。

ザッザッ。

木なので思った以上に浅い部分しか耕せない。

耕すと言ってよいのか疑問に思うほどの深さ。

でも、昔の土はもっとやわらかかんたんじゃないか?

ザッザッと掘るとたまに石にあたる。

手を止め石をどかす。

このひと手間も心の余裕につながっている?

土と向き合いながらザッザッと耕す。

おしゃべりしながらザッザッと耕す。



やってみないとわからなかった。

やってみた人じゃないと絶対わからないと思う。

木と鉄でこんなに違うのかと驚いた。

鉄の作業効率の良さにではない。



鉄は強い。

だから土を支配してしまう。

やさしさもない。

土と向き合おうともしなくなる。

ただただ無心で耕してしまう。




木の鍬で耕すと自然と土と向き合える。

自然と会話が生まれてくる。

心が優しく穏やかになる。

身体の動きも全く違う。

鉄には鉄のよさがある。

でも・・・。

ナンダコレハ?




以前道具のレクチャーしてくれた雨宮さんの言葉が

今ならものすごーくよくわかる。

http://artoro.jp/2018_01_21_series4/


木と鉄の道具の差、

これを体感できたことは、

なにかものすごーく大事なことを学んだような気がする。


土の中から出てきたドジョウたち。

きっと鉄の鍬は恐怖だっただろうね。
 

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変わったのは道具だけじゃない。

きっと土も変わってしまった。

道具と土、切り離して考えたらいけないんだよね。

みんなみんなつながっている。




知るって大事。

体験するって大事。

心地よい労働ありがとう。

今回もすごーくよい講座となりました。

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次回はいよいよ田植えです。


ARTORO2018 募集!

私が活動を続けているアートロですが、
 
2018度の募集を開始しておりますのでご案内させていただきます。


 
アートロとは、簡単に言ってしまえば、

衣食住のつながりを楽しく学びながら考えてみようという活動。

詳しくはこちら→ http://artoro.jp/archives/


 
今年度は農業体験と講座を組み合わせた連続講座となっております。

また、秋には身近な素材を使った簡単な住まいづくりにも挑戦いたします。

興味がありましたら、是非ご参加ください。



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【2018年度連続講座 “ひとつ屋根に暮らす” 】


◇説明会&種もみ配布

日 時  2018年4月22日(日)
    
 13時~16時(受付開始 12時半より)

場 所  登呂博物館 1階ホール

内 容  今年度の予定について

     苗の育て方について

     種もみ配布

講 師  宮田祐二さん(静岡県の農業技術研究者)

主 催  登呂会議


 

米、タネだった!ってわかってた??

田植え体験は全国各地よくあるけれど、

苗を種もみから自分で育てるところからやります。


 

アートロでは今まで土で土器をつくり、

稲を育て、

米を食べて、

稲藁で道具を作って来たけれど、

2018年度はさらに、

人間が発明した最たる道具、住まいの屋根に

この稲藁を使おうという計画なのです。

今年度のスケジュールはこんな感じ。


 

【2018年度スケジュール】

4月22日 「米、タネだった!」
     
講師:宮田祐二さん(静岡県の農業技術研究者)

5月20日 「土を耕す。〜ところで、土ってなんだ?」

     講師:宮田祐二さん

6月10日 「土で、稲を育てる。」

9月9日 「鳥の巣から学ぶ
     
〜足元にある素材から居住空間をつくる〜」
     
講師:鈴木まもるさん(鳥の巣研究家、画家、絵本作家)

10月中旬 収穫(台風などの影響により変更あり)
1
1月24・25日 「身体で測る、足元の素材で住まいを作る」

     講師:相楽育弥さん(かやぶき職人)

2月 「土で育った米を、土器で煮炊きして食べる。〜収穫祭〜」


 

登呂は弥生ですけど、

定住する前の縄文の住まいを作ってみます。

かやぶき職人の相良さんと2日かけて、

移動民のように家を作ります。

藁の結束の仕方も学べちゃいます。


 

いやいや、霊長類ヒト科の住まいの前に

鳥の巣からも学びます。

どう見ても人間が真似したとしか思えない鳥の巣。

でも、これ住まいじゃないって知ってました?


 

鳥の巣も、人の住まいも、

どちらにも言えることは、たぶん安心と安全。

自ら作って、その中で過ごしたら、

何をもって私たちは住まいとするのか?

そんなことがわかるかもしれません。


 

自分たちで言うのもなんですが、

かなりおもしろい連続講座になっていると思います。


 

【申込について】

・4/22の説明会のあと、参加申込していただいてもOK

 もちろん今すぐ申込していただいてもOK

・年間参加費は、21,000円(1家族)

 もちろん1人での参加もOK

 募集定員は20家族
 
定員に達し次第、締め切らせていただきます。

・お申込はメールにてお願いいたします。

 登呂会議 contact@artoro.jp

・メールには下記を記載してください。

 名前、住所、電話番号、メールアドレス
 
一緒に参加されるご家族がいればその方の名前、続柄

※年間通しての連続講座の申込となります


 

こちらのサイトから簡単に申込できます

http://artoro.jp/2018_orientation/



 

どうぞよろしくお願いします。


左官ワークショップ

最近の仕事は新築より改修が多い

しかも部分的なセルフリノベーションも多い

今回は左官もセルフ

自分たちでできることは自分たちの手で

というスタンスで進んでいる現場。

でも、やっぱり最初は職人さんに教えてほしい。

せっかくだから、教わりたい人一緒にどうぞ、

ということで行ったワークショップ。

(もちろん助っ人募集の意味もありますよ)



普段仕事中は邪魔になってしまうので

道具のこととかいろいろ聞くこと出来ないけど、

今日はワークショップなので・・・。



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まずは使っている道具から教えてもらう。

形や大きさだけでなく厚みや素材による道具の違い、

職人の世界はおもしろい。


 

配合の仕方、ノロ(下地)の作り方、仕上材の作り方、

まるで料理。

まるで理科の実験。


材料が用意できたらいよいよ実践。




一発目で平らに仕上げる職人の技。

何十年もやってきたからこその技。

誰でも簡単に仕上がりますという素材にはない

真似のできない美しさ。

職人の世界はかっこいい。
 

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自分でやってみると難しさがよーくわかる。

普段こういうものだからと図面描いてたけど、

なぜそうなのかってやってみてはじめてわかる。

こういう体験、とっても新鮮。

こんなことをさせてもらえる現場、ありがたい。




とりあえず今日は、鏝返しが出来るだけで

なんとなく職人に近づいた気分になってる自分がいる。

鏝返し楽しい。

でも本当に難しいのは鏝板の上から先なのであるよ。

※鏝返しとは、鏝板に乗せた塗材を鏝の裏に素早く乗せる

素人でも職人気分を味わえる左官の基本技術。

クルッ、ヒョイッがついつい癖になる技。


ARTORO 「修繕しながら、暮らす」

今期最後のARTOROの告知させていただきます。

 

3月11日(日)13:00~16:00 登呂博物館にて、

「修繕しながら、暮らす」と題して、

かやぶき職人の相良育弥さんに登壇してもらいます。

(登壇と言ってもARTOROは常に座談会形式のフリースタイル。)




相良さんは神戸を拠点に

世界をまたにかけて活躍している若手の職人さん。

宮沢賢治に憧れて大地に生きる百姓を志し、

だけど減反で米がつくれず「三姓」止まりになるものの、

そんな時出会った茅葺の親方に

「茅葺屋根は百姓の業で出来ている!」

との言葉を受けて弟子入りして、

今では屋根はもちろん、インテリアも茅で手掛けてしまう、

とても魅力的な男も惚れるかっこいい職人さんなのです。

http://www.kusa-kanmuri.jp/


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先日、相良さんに会いに淡河町まで行って、

茅場(茅は田んぼの畔で育てていたりします)や茅葺の住宅、

葺替え中の現場などを見学させていただきました。


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相良さんが拠点としている神戸市淡河町には、

今でもたーくさんの茅葺き住宅があって、

町の景観もどこか品のあるすごーく魅力的な場所。

移住希望者が300人待ちというのもうなずけます。




そのとき彼はこんなこと言ってました。

「茅葺職人の仕事は、

組む、編む、縛る、縫う、纏める、結ぶ、緩める・・・、

糸編がつく仕事ばかりで、

過去から未来、住むと生きるを

ぐるっとつないでいるんです。」




「無理に高価な材料を使わなくたって、

身近な材料でやればいいんですよ。

稲藁だってススキだっていい。

手入れさえすればいつまでも長持ちする。

昔からそうやってきたんだから。

これだって戦後に麦を育てるようになったから、

一番身近にあった麦を使っているだけなんです。」

と言って見せてもらった屋根には麦の穂が!


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相良さんはこうも言ってました。

「ただ伝統を守る仕事をするのではなく、

これからの時代に合った、

必要とされるような茅葺の在り方を模索していきたい。」

茅葺という素晴らしい伝統と思想を

ただ残そうとするのではなく、

そこに人間が忘れかけた大事なものを強く感じているからこそ、

これから先の時代に目を向けた前向きな姿勢で、

新しい発想で仕事に取り組もうとする姿に、

私、とても共感しちゃいました。




3月11日は今の自分たちに必要な

おもしろい話がたくさん聞けると思います。

茅葺の構法の話だけでなく、

伝統の活かし方や、

循環する暮らし、

自然素材の魅力について等々・・・。




今回の講座がARTORO今期最後の講座。

時代は進みます。

進むからこそ、

これからの在るべき住まいについて、

是非是非一緒に考えてみたいのです。

かなり貴重な機会だと思いますよー。

この機会、逃すのはもったいないですよー。



今回だけ参加したいという方も大歓迎ですよ。

申込はこちらからお願いします↓

http://artoro.jp/artoro2017/


学生さんは半額でOKですよ。

お子さん同伴もOK。

(実際に小学生の男の子も参加してくれてます)

みんなで楽しみを分かち合いましょー。

お待ちしていまーす。

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佐藤浩司先生

明日の国立民族博物館 佐藤浩司先生の講座に向け、

先日、先生のご自宅に伺いました。
 
先生の話を聞いていると、

人、環境、条件によって

『住まい』がこれほど違うのかと驚かされます。

自分の思っている『住まい』とは

とてもとてもとても狭いものだと思わされます。

普段設計という仕事をしていて、

『住まい』についてたくさん考えているのに、

まだまだ知らないこと、気づかないことがたくさんあるんだなと・・・。

そこにはきっと新しい可能性があると思います。

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写真は佐藤先生のご自宅をお伺いした時、

思いがけず用意してくださった昼食のカレー。


大変おいしゅうございました!


佐藤先生の講演に参加したい方はARTOROのサイトから申込お願いします。


縄文DNA展

今日から富士宮のRYU GALLERYさんで、

『縄文DNA展』が開かれてます。

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RYU GALLERYさんから

この企画の出展の話をいただいたのが

だいたい1年前。

この企画とはまったくの別物で、

最近密に活動している

ARTOROの話をいただいたのも

ほぼ同じころ。

(ARTOROは登呂遺跡の弥生文化に深く関係)


つまり、ちょうど同じ時期に

すっごい偶然にも

縄文と弥生が一緒にやってきたわけで、

わー なんだ?なんだ?

これは何かの暗示か?

この時代に何か導かれているのか?

とそのころ妙な胸の高鳴りを感じておりました。




で、今回の『縄文DNA展』、

個人的には縄文と弥生がからまった上で、

自分の展示に挑むような気がしてます。

2月14日~25日

富士宮のRYU GALLERYにて開催です。

お暇でしたら是非足をお運びくださいませ。


グローカル芸術拠テン

本日21日(火)から、

清水駅の目の前、

清水文化会館マリナート1Fギャラリーにて、

「グローカル芸術拠テン」

という美術展が開催されます。

この展覧会は日本、タイ、韓国の

美術系大学教員と若手作家による国際展です。

26日(日)まで。

10:00~18:00です。

私も出展させていただきました。

興味のある方、是非足をお運びください。

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静岡県文化プログラム『ARTORO』 第2回目

静岡県文化プログラム ARTORO

第2回「なぜこの場所に?」フィールドワーク

かなりの長文です。

(主観で書いているので間違った記述もあるかも・・・)



10月29日に行う予定だったフィールドワーク、

台風の影響で1週間延期しての開催。

11月5日、快晴。

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この日は登呂遺跡の田んぼの稲刈りが行われていて、

のどかな秋らしい雰囲気につつまれています。

でも、竪穴式住居の前をトラクターが通過する様は

ちょっとシュールでおもしろい風景です。



今回のフィールドワークの最大の目的は、

「登呂の人たちがなぜこの場所を選んだのか?」です。

午前と午後の2部形式で周辺を歩いて探っていきます。

講師は静岡大学の篠原先生と

伊豆半島ジオパークの鈴木雄介さん。


 

午前は11時スタートで登呂遺跡北側を散策。

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現在の登呂遺跡は当時の村のほんの一部。

当時は南北に長細い集落があり、

現在の登呂遺跡の東側には田んぼが広がっていたそうです。

今は住宅街です。

そんな田んぼが広がっていたあたりでまずは湧水を確認。

よく見ればあっちの家にもこっちの家にも・・・。

湧水の多さ、水の豊かさに驚かされます。

そして、車だとあまり気にしないけど、

歩くとゆるやかに窪んだ地形がよくわかります。

これは、登呂遺跡発見時の軍事施設の土地造成の名残。

いろんな時代が重なって今があります。



篠原先生からは、

このあたりに墓があったとか

川があったとか、

別の集落があったとか・・・

いろんな話を聞きながら、

弥生時代の風景を想像してみます。

午前は、高いところからも見てみようと、

SBS静岡新聞社17階のtembooにお邪魔して眺めてみます。

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意外と登呂遺跡と海が近い。

雄介さんから地形の成り立ちなんかの説明も聞きながら

自分たちの今いる位置を捉えていきます。

俯瞰で見ると、

登呂の人たちはいい場所を選んでいたのがよりわかります。
 

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その後、改めて地面の起伏や湧水を見ながら登呂遺跡に戻ります。

途中住宅と住宅の間に小道があって、

その奥に森林跡なるものが現れます。

どうやらこのあたりに杉林が広がっていたようです。

杉の木は山から運んでくるものばかりと思っていたけれど、

実はすごく身近な場所にあって、

住居のすぐ目の前から材料調達できていたのかもしれません。

この森林の範囲、いったいどこまで広がっていたんだろう?

気になります。



登呂遺跡北側をぐるりと一周して前半終了。

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ここまでだいたい2.4㎞、90分ほどです。


登呂遺跡にてお昼。

天気がいいので外で食べます。

日光と風がとても気持ち良いです。



午後ルートは登呂遺跡南側を散策。

海まで歩いてみます。

歩く前に雄介さんの用意してくれた地図を見ながら

ちょっとだけレクチャー。

現在の海抜が色分けされている地図、

大正時代の地形図、

浜堤(ひんてい)や自然堤防の位置がわかる治水地形分類図、

縄文時代の海岸線ラインがわかる地図、

安政東海地震による津波の浸水範囲がわかる地図等、

いろいろな地図を用意してくれてあります。

それらの情報を重ね合わせてみると・・・

おーなるほど!おもしろい!

それらの地図を片手に午後ルート出発です。



午前と同じで、歩くと地面の高低差がよくわかります。

むかーしは田んぼだったところは今は新興住宅地。

この周辺には神社とかはないので

昔ながらの祭はなかったのですが、

住宅地になり、人が集まるようになると、

有志が祭をはじめ、もう50年ぐらいつづいているそうです。

生きる上で祭は、人の和を築くのに不可欠なものかもしれないです・・・。

新興住宅地もいつもと違う角度で見ると結構おもしろいです。



碁盤の目のようなこの住宅街にも、

その昔遺跡(汐入遺跡)があり、

登呂の人たちが洪水で村が失ったとき、

この地に移り、そしてまた戻っていったらしいです。

しかも洪水があったのは3回。

その都度行きつ戻りつしながら、

登呂の村を立て直したそうです。

登呂遺跡からほんのちょっと離れたところにあった集落。

登呂遺跡と関係の深い集落。

この地の魅力、奥が深そうです。



住宅街を抜けると浜堤と呼ばれる丘上の地形が現れます。

ここからは海抜10mほどの登山です。

大正時代の地図を見ると、

浜堤に住宅街があったことがわかります。

(それ以外はほとんど田んぼ。)

浜堤に広がる住宅街は道も細く、曲がりくねっていて、

路地裏のような雰囲気が色濃く残っています。

このあたりは田んぼではなく畑になります。

一軒一軒の家も大きくなります。

頂上付近にある神社の地面は砂地であるのも大きな特徴。

この場所、改めてゆっくり歩いてみたくなります。


下山を開始し、海に向かって歩きます。


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海はテトラポットマニアにはたまらない場所です。

いろんな形、大きさがあります。

テトラポットがあるということは

それだけ波が荒いことの証明。

その荒波から陸地を守るためのテトラポットですが、

これが三保半島に大きな影響を与えているのも事実。

環境の変化は巡り巡ってどこかに大きな影響を与えます。



海沿いを抜けて、

自然堤防のあったあたりの住宅街を歩いていきます。

やはり細い道と大きな家だらけです。

こういう雰囲気の場所、結構残っているものですね。

この集落の中に白髭神社が建てられています。

白髭神社は水の神様、

水害から守ってくれる神様が祭られている神社で、

全国に267あり、そのうちの64が静岡、

さらにそのうちの41が安倍川の流域沿いにあるそうです。

この地もそれだけ安倍川の氾濫が脅威だったのでしょう。

災害から身を守るため、

少しでも高い地を選びそして村全体の安全を願う。

「生きる」という目的に、

「安全に生きる」というレイヤーが重ねられている感じです。

もしかすると祭などはさらに、

「豊かに生きる」というレイヤーが重ねられた事象なのかも。



登呂遺跡に戻る途中、

避難タワーの役割も備える建物を確認。

昔は少しでも高い地を定住地としていたのに対し、

現代は低地に住む代わりに、

こういう高い施設が不可欠になってしまっているのですね。



いくつもの災害を経て、

その都度淘汰されて残った場所なのかもしれないが、

「生きる」という最大の目的に、

安全と豊かさを重ね合わせた結果が、

この登呂の場所なのだと思います。


この純粋な「生きる」という敷地選びが、

現代の我々が忘れてしまっていることかもしれない。

「豊かさ」ばかりに目を向けてしまい、

肝心の「生きる」を忘れてしまっているから、

危険と背中合わせの場所に住んでしまう。

我々が家を建てる時の敷地選びで気にするのは、

駅から何分か、

スーパーはどこにあるか、

学校はどこにあるか、

金額が安いか・・・

そういう「豊かさ」だけを求めた社会的システムの中で選択してしまうが、

古代の人は「豊かに生きる」という視点で選択しているように感じます。

今だからこそ古代人に見習う視点、必要かもしれません。


そんなことを考えながらゴールに向かいます。

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午後ルートはだいたいこんな感じで終了。

およそ4.3㎞、120分ほどです。

登呂遺跡に戻ってから、参加者みんなで疑問と発見について話す。

みなさんいろんな意見があって、この時間もたいへんおもしろい。

各分野の専門家と一緒に廻るフィールドワーク、

とてもとてもとても贅沢な時間です。



これにて2回目も無事終了。

次回、3回目はこの土地の記憶を

地形と地層の模型をつくって再確認してみたいと思います。

鳥瞰で見たり、断面で地層を見たり・・・。

またいろんな発見がありそうで楽しみです。


伊豆長岡『三養荘』

今年、伊豆長岡にある旅館『三養荘』の本館がめでたく登録有形文化財となりました。

この建物は、旧岩崎久彌別邸として建てられた近代和風住宅であり、

京都の材料と職人を使った本格的な数寄屋建築です。

庭は名匠小川治兵衛の流れを汲む作庭がなされています。

ちなみに新館は村野藤吾設計の建物で、こちらも落ち着きのあるとても居心地のよい空間です。


登録有形文化財の申請に際し、実測と図面作成のお手伝いさせていただきましたが、

復元図面を描いていると、

「おっ!ここがこうなってるのか」とか、

「ここでこんなことさせようとしていたのか?」とか、

「ここでちょっと気持ち切り替えた感じだな」とか、

なんとなく設計した人の疑似体験をしているようで結構おもしろかったです。

特に、この建物は京間と江戸間が混在しているのですが、

それを意図的に使い分けしていたりと、いろんな発見もあって勉強になりました。


こういう建物は泊りでもしないとなかなかじっくり見れないけれど、

こんな見学会が企画されているようなのでご紹介します。

常葉大学土屋先生の解説付きです。

韮山反射炉や江川邸も見学するみたいです。


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